自分にとっては不倫されたと思う行動でも、パートナーとしては不倫だと思っていなかったという話はよく耳にします。不倫は一時の楽しさがあるかもしれませんが、不倫された側の精神的苦痛は計り知れません。
また、場の雰囲気に流されてちょっとした気の迷いで不倫をした程度であっても、パートナーに辛い思いをさせるだけではなく、場合によっては後々にトラブルに発展するリスクもはらんでいます。
そこで本記事では、どこからが不倫になるのか、不倫は法的にNGなのか、一般的な不倫の定義とは何かなど、不倫に関する基本的な情報をみなさんに説明していきましょう。
「もしかしてこれは不倫かもしれない」と不安を抱いている方や「パートナーの行動が不倫か誤解なのか気になる」という方は、 ぜひ参考にしていってくださいね。
一般的な不倫の定義とは?
「昔なじみの異性に誘われて2人きりで食事をしてしまったけどこれって不倫?」「仕事関係で誘われただけでから不倫ではないでしょう?」「仲は良いけれど友人だから問題ない」など、人によってさまざまな不倫の定義があります。実際はどうなのか、早速説明していきましょう。
個人としての不倫に対する認識
みなさんもそれぞれ不倫に対してご自身のボーダーラインがあるかもしれませんが、世間のみなさんが不倫に対してどう考えているのか実際の声を見てみましょう。
既婚者が配偶者以外の異性と、2人だけで食事をしているだけで不倫を疑われます。 なぜなら、関係があるかないかなんて、見ただけでは分からないので、あると仮定されるのが普通です。
引用:Yahoo!知恵袋
やましい思いを持ちながら相手と連絡し始めたら有罪です
引用:Yahoo!知恵袋
パートナーに言えない異性との関係を持った時。 会うのも不倫。
引用:Yahoo!知恵袋
以上のように、人によっては不倫に対する自身の定義はさまざまです。肉体関係を持ったら不倫という方もいれば、配偶者以外の異性と食事をするのも不倫と判断する人もいます。そのため、誰もが納得するような一般的な不倫の定義はありません。
法的な不倫に対する定義
一般的な不倫の定義はありませんが、日本の法律を基準として不倫かどうかを判断することはできます。法的な不倫の定義は、婚姻関係を結んだ配偶者がいる身で配偶者以外の異性と不貞行為を働くことです。
不貞行為とは、婚姻関係にある男女のどちらか一方が、自らの意思で配偶者以外の異性と肉体関係を持つことです。そのため、性交渉をしたら不倫に該当します。しかし、キスやハグ、相手の胸を触る程度では不倫には該当せず、これらを理由とした責任追及をパートナーにすることはできません。
不倫と浮気は同じ?具体的な違いとは?
不倫と同じように使われる言葉として浮気があります。どちらも同じ意味を持っているイメージですが、正確には意味合いが少し違います。それぞれ何が違うのか、浮気と不倫ではどちらの方が危険なのかを説明していきましょう。
不倫と浮気の大きな違いは婚姻関係の有無
実は、不倫も浮気も明確な区別がされているわけではありません。しかし、婚姻関係の有無により法的責任が生じ、浮気よりも不倫の方が重く受け止められる言葉となります。
浮気が婚姻関係になくても交際相手がいる状態で他の異性に興味関心を向け、何らかの接触を行っている状態に対して、不倫は婚姻関係にある配偶者以外の異性と肉体関係を持っている状態に対して使います。
これは、自分が独身であっても肉体関係を持った相手が既婚者であれば不倫とみなされます。婚姻関係があるか否か、肉体関係を持つという不貞行為を行っているかどうかが不倫と浮気の大きな違いなのです。
不倫は責任が伴うので注意
浮気は交際相手に心のダメージを与える悪いことではありますが、日本の法律では罰を受けることはありません。いくら浮気をしていようと慰謝料を請求されたり、何か責任を負わなければならないわけではないのです。
しかし、不倫は誓いを立てた夫婦の約束を破っているため、離婚を請求されたり慰謝料を払わなければならなくなったりする危険性があります。交際していた時の気分のまま不倫行為に及ぶと、後々に多大な責任を伴わされるため注意が必要です。
不倫がバレた時のリスク
日本では、統計上男性の4人に1人、女性の5人に1人が不倫をしているというデータがあります。男女で割合に違いはあるものの、少なくはない人数が不倫経験を持っているのです。
新しい恋愛のドキドキ感や不倫というスリル、家庭とは別の居場所がある安心感など、不倫の道を選ぶ人の理由はさまざまですが、不倫が万が一バレてしまった時のリスクは大きいものです。
現在不倫をしている方も配偶者が不倫をしていそうな方も、今後のことを考えて不倫がバレた時のリスクを十分理解しておきましょう。
周囲へのマイナスイメージ
日本での不倫に対するイメージは悪く、たとえ仕事が有能で人脈が広い人であってもひとたび不倫の事実が周知されれば、あっという間に「誠実ではない人」というレッテルを貼られます。
配偶者と和解して法的責任が無かったとしても、周囲へのマイナスイメージを払拭するのは容易ではありません。今まで築き上げてきた信頼が簡単に崩れることもあり、周囲からの自分への視線が以前と変わることもあり得ます。
離婚の危機
不倫は一時的には楽しいかもしれません。しかし、不倫がバレた時には今後何十年も共に人生を歩んでいくはずの家族を失う危険があります。不倫が発覚し、その決定的な証拠があった場合は配偶者から離婚を言い渡されるケースは非常に多いです。
一時の迷いでしてしまった行為が、当たり前の幸せを崩壊させることもあるのです。不倫は法的に責任を持つため、離婚の原因として裁判所では判断されます。本当に離婚をしても構わないのか、配偶者との未来を失っても得たい快楽なのかを考える必要があります。
配偶者からの慰謝料請求
不倫は離婚の危機だけでなく、配偶者から慰謝料の請求をされた場合は金銭的な負担も発生します。不倫の慰謝料相場は、各事案によって金額は変動しますが100~500万円程度とされています。
通常のサラリーマンであれば決して安くはない金額ですよね。今後離婚して何もかも一人で行わなければならない中で、金銭的にも余裕が無くなるのは痛手でしかありません。
また、場合によっては元配偶者だけではなく、不倫相手も既婚者だった場合に不倫相手の配偶者からも慰謝料の請求をされるケースもあります。そうすると、単純に考えても2倍の慰謝料を払うこととなり、より一層厳しい状況となります。
仕事や友人を失う可能性も
人の口には戸が立てられません。不倫の事実は自分が考えるよりも広範囲に知れ渡ることが多々あります。もしも不倫の事実が職場にバレたり、配偶者との共通の知人や友人にバレた場合は、大きな信頼を失うでしょう。
場合によっては役職に影響したり、信頼第一の仕事では取引先を失ったり、元配偶者と共通の友人であれば友人を失う危険性もあります。たかが不倫と高をくくっていると、思いもしない結末を招くことになるのです。
不倫されていると感じた際の対処法
「最近なんだが配偶者の様子がおかしい気がする」「スマホにロックをかけるようになった」「残業で夕飯を家で食べない日が増えた」「休日出勤が頻発している」など、思わず不倫を疑いたくなる相手の行動ってありますよね。
もしも不倫されていると感じた際、どのように対処すれば良いのかを説明していきましょう。焦りは禁物です。落ち着いて対処していきましょう。
事実を正確に確認する
不倫されているかもしれないと思うと、何もかもが疑心暗鬼になってきてしまう気持ちはわかります。しかし、すべての行動を不倫と疑うのではなく、本当に不倫をしているかどうかを正確に確認するのが大切です。
感情に任せて早とちりで行動してしまうと、その行動によって円満な家庭が破綻してしまうこともあります。疑問を抱いてもまずは一旦落ち着いて、考える時間を作りましょう。1人では混乱してしまうため、共通の友人や弁護士などの第三者に相談することがおすすめです。
不倫の事実を確認し、今後どうするのかを考えていかねばなりません。不倫を辞めさせるのか、辞めさせることができないのであれば離婚をするのか、離婚をするのであれば親権や財産はどうするのかなど、配偶者と話し合わなければならないことはたくさんあります。
冷静に相手と話せるよう、頭で考えるだけでなく紙に書きだしたり他者に話して情報を整理するのがおすすめです。
物的証拠を収集する
不倫をしていることが確定したのであれば、今後のために物的証拠を収集するのがおすすめです。不倫をしている人は基本的に不倫の事実を隠し通そうとする人が多く、あれやこれやと言い訳を連ねます。
みなさん自身が不倫の現場を目撃したとしても、第三者視点で証拠がなければ後々の裁判で不倫の事実を認めてもらえない可能性があります。そのため、配偶者と話し合いをする前に探偵事務所や弁護士に相談し、物的証拠を収集するのが良いでしょう。
まずは配偶者に不倫の有無を直接訪ねて確認したいという方もいますが、不倫を疑われ始めるとバレないようガードがより一層固くなってしまう傾向にあります。証拠を確実に得るためには、配偶者に気づかれないよう調査する必要があるのでご注意ください。
不倫の線引きを夫婦で共有しておきましょう!
どこからが不倫になるかの線引きは難しいものです。法的には肉体関係を持ったら不倫ですが、配偶者がその事実を知らない場合もあります。一方で肉体関係さえなければ不倫には入らないと、法のギリギリを攻める人もいます。
不倫をしない・させないのが夫婦円満の理想ですが、そもそもの不倫への認識に齟齬があるとトラブルになりかねません。お互いが不倫に対してどう考えているのかを共有して、不倫をした際の将来生じるリスクをしっかりと理解し、お互いのために何が一番最適なのか今のうちに話し合っておきましょう。