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離婚後の子供の戸籍はどうする?5つのポイントや手続き方法を解説

子供がいる夫婦が離婚する際、子供の親権や養育費についてはよく話し合いますが、子供の戸籍について気に掛ける方はあまり多くありません。戸籍は普段あまり意識しないため、仕組みについてよく分からない、適切な対処方法を知らないという方もいるでしょう。

実は子供の戸籍について考えなかったばかりに、子供の名字を変更できなくなった、子供と自分の戸籍が別だとずっと気が付かなかったと後悔するケースがあります。

戸籍は日常生活で意識することがありませんが、相続や結婚といった場面でなくてはならないものですので、離婚前には子供の戸籍についてもよく考えることをおすすめします。

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離婚時の戸籍に関する5つのポイント

日本国民なら届け出をしていない人を除いて、すべての人が戸籍に入っています。しかし戸籍は普段の生活で意識することが無いため、詳しい仕組みが分からない人もいるでしょう。

ここでは離婚時に自分と子供の戸籍がどうなるかについて、詳しく解説していきます。

特別な手続きをしないと子供の姓と戸籍は元のまま

離婚時に特別な手続きを行わなければ、子供の戸籍と氏(姓)は結婚した時のままです。結婚時に夫の戸籍に入り夫の姓を名乗っていた妻が離婚した場合、妻だけが夫の戸籍から抜けます。

もし離婚した妻が結婚前の実家の名字に戻ったとすると、母親と子供の姓が違うということになります。同じ家族として一緒に暮らしたとしても、母親と子供の姓が違うという何とも奇妙な状態が起こってしまうのです。

子どもの親権と戸籍が同一かは無関係

また子供の戸籍が離婚した夫の戸籍にあっても、離婚した妻が親権や監護権を持つことに何ら問題がありません。日本の戸籍は「戸」という家族単位で作られる身分の登録制度で、親権は未成年である子供の監護や財産管理を行うための制度です。

この二つは全く別の意味を持つ制度で、それぞれに相関性はありません。離婚して戸籍が別になると元夫と元妻は他人になります。しかし男親は子供の父親として、女親は子供の母親として子供が未成年のうちはお互いに扶養義務があることを覚えておきましょう。

離婚後の戸籍と氏(姓)は3パターンから選べる

日本では妻が夫の戸籍に入籍することがほとんどのため、離婚後は逆に妻が夫の戸籍から抜けることになります。妻の離婚後の戸籍と氏(姓)は次の3パターンから選びます。

  1. 結婚前の戸籍に戻り、氏(姓)も婚姻前の旧姓に戻す
  2. 自分一人の戸籍を新たに作り、氏は婚姻前の旧姓に戻す
  3. 自分一人の戸籍を新たに作り、氏は結婚していた時のまま

離婚後、婚姻前の戸籍に戻ることを「復籍(ふくせき)」、旧姓に戻すことを「復氏(ふくし)」といい、結婚していた時の氏をそのまま名乗ることを「婚氏続称(こんしぞくしょう)」と呼びます。

離婚届には離婚後の氏をどうするか選択する欄がありますので、届を提出する前に氏をどうするかということも事前に決めておくと良いでしょう。

離婚時に復氏を選択しても離婚から3か月以内であれば、「離婚の時に称していた氏を称する旨の届」を役所にすると結婚時に名乗っていた氏を使えます。結婚生活が長くなるにつれ、離婚で氏が変わると以下のような不都合が生じるためです。

  • 自分の周囲に離婚を知られてしまう
  • パスポートや免許証の名義変更が必要

同一戸籍に入れるのは2世代まで、同じ姓に限る

日本の戸籍制度では一つの戸籍に入れるのは親と子の二世代までで、孫を含んだ三世代は同一戸籍に入れません。また同じ姓を名乗る家族だけが同じ戸籍に入れられます。

もし子供を自分と同じ戸籍に入れたいなら、結婚前の戸籍に戻っていた場合、実家の戸籍を抜けて自分が筆頭者となる戸籍を新たに作る必要があります。

また復氏して結婚前の氏に代わっている場合、元夫の氏のままの子供と同じ戸籍になることはできませんので、子供の氏を自分と同じ氏に替えなければいけません。

結婚前の戸籍に戻れない場合がある

離婚後に元夫の戸籍から抜けて、自分の親が筆頭者の実家の戸籍に戻りたいと思ったとしましょう。しかし次のような場合は結婚前の戸籍に戻れませんので注意が必要です。

  • 両親の死亡で戸籍が消滅した
  • 自分が筆頭者の新戸籍を作った後
  • 子供と同じ戸籍にしたい
  • 結婚時の氏を名乗りたい

転籍や戸籍記載者全員の死亡により戸籍が「除籍」となった場合、元の戸籍に戻ることができません。また自分が筆頭者の戸籍を新しく作った後は、結婚前の戸籍に戻れません。

子供が夫の戸籍に入っている場合のメリット・デメリット

子供が元夫の戸籍に残っても、実生活において大きな問題はありません。しかし時にメリットやデメリットを感じることがありますので、その点を詳しく解説していきます。

子供が元夫の戸籍に入っているメリットは、「元夫の戸籍謄本や戸籍の附表がとりやすくなる」ということです。離婚して戸籍が別になったとしても、子供の戸籍謄本などを取ることは法定代理人として可能です。

子供の戸籍謄本には元夫の情報も記載されていますので、それらの書類により現住所や住所の履歴を見ることができ、慰謝料を請求したい時や養育費の不払いが発生した時に連絡を取りやすくなります。

逆にデメリットとしては、子供のパスポート申請や進学時に戸籍謄本や戸籍抄本が必要になった際に「戸籍の本拠地の役所に申請の手続きをしなければならない」ことが挙げられます。

元夫の戸籍が自分の住んでいる場所から遠く離れていると、郵送などで申請しなければならず手続きが面倒になります。

自分の戸籍に子供を入れる際の手続き

子供を元夫の戸籍に残したくない、一緒に暮らす母子は同じ戸籍にしたいという場合の手続き方法や手順をご紹介していきます。離婚届を提出する時にすでに手続きが始まりますので、子供と同じ戸籍を作るかどうかは離婚前から考えておきましょう。

1.自分が筆頭者の新戸籍を作る

まずは自分が筆頭者の新しい戸籍を作ります。新しい戸籍の作り方は難しくなく、離婚届けの「婚姻前の氏にもどる者の本籍」という欄の「新しい戸籍をつくる」という箇所にチェックを入れます。

もしすでに離婚して親の戸籍に復籍している場合は、「分籍」により自分だけの新しい戸籍を作ることから始めてください。分籍に必要なものは下記の通りです。

  • 分籍届
  • 届出人の印鑑
  • 窓口に来る人の本人確認書類
  • 戸籍全部事項証明書または戸籍謄本(他市町村に分籍する場合のみ)

2.子供の氏を変更する

次に自分と同じ戸籍に入れるため、元夫の氏のままの子供の氏を変更します。子供の住所地のある家庭裁判所に、「子の氏の変更許可審判申立書」を提出してください。これは母親と子供の氏が同じ場合も行います。

「すでに同じ苗字なのになぜ手続きが必要なの?」と思われるでしょうが、元夫の戸籍に入っている子供の氏と、婚氏続称により結婚時の氏を選択した母親の氏とは表面的には同じですが、法律的には違う氏とみなされるためです。

3.変更許可が出たら市区町村役場へ提出

家庭裁判所から子の氏の変更許可が出たら、入籍届と一緒に自分が作った戸籍の本籍地である役場へ提出します。これで母親が筆頭者とする戸籍に子供が入っている状態になります。

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子の氏の変更許可審判申立申請の手順と概要

自分の戸籍に子供を入れる際に必要な「子の氏の変更許可申立」の手順や概要についてもう少し詳しく見ていきましょう。一緒に暮らす子供の氏を自分と同じにしたい、戸籍に子供を入れるのに氏の変更が必要という方はご確認ください。

申立人15歳未満…法定代理人(親権者)の欄に署名捺印が必要
     親権者でない母親には申し立てが認められない
15歳以上…子供自身が申立人になれる
申立先子供の住所地を管轄する家庭裁判所
申立の時期期限は特になし
費用子供一人につき800円(収入印紙)
連絡用の郵便切手(家庭裁判所へ確認)
必要書類子の氏の変更許可申立書
子供本人の印鑑
提出者の身分証明書
子供の戸籍謄本
父・母の戸籍謄本(離婚の記載があるもの)
申請から受理までの手順約2週間で裁判所から「審判書謄本」が届く
「確定証明書」を取得して「審判書」と一緒に子供の本籍地または筆頭者の住所地の役所の戸籍課に提出

必要書類の中の戸籍謄本は3か月以内に発行されているものに限ります。子の氏の変更許可申立書は家庭裁判所のホームページからダウンロードできます。記載例も掲載されていますので参考にすると良いでしょう。

申立が受理される基準は「子供の氏を変えることで子供の幸福や利益になるか」が重視されます。ただ親の離婚により、同居する親と子の氏が違うというケースではほとんどの場合許可されることになります。

離婚後の子供の戸籍に関するQ&A

離婚後の子供の戸籍に関する疑問や質問にお答えしていきます。離婚時にどうするか悩む子供の戸籍ですが、いざという時に後悔しないようしっかりと考えておきましょう。

Q.子供の戸籍の移動はいつがいい?

子供の戸籍の移動はいつまでにしなければいけないという期限はありません。ただし戸籍の移動に伴う子の氏の変更許可申出は、離婚してからあまり長い時間経過していると、本当に変更が必要なのか疑問視される恐れがあります。

特に子供が成人してからの氏の変更は、「なぜ今まで変更しなかったのか?」「どうして今変更が必要なのか?」の理由を求められる場合があります。

単に親と氏が違うからでは許可されないこともありますので、子供の戸籍を移動する場合はなるべく早めに手続きをした方が良いでしょう。

Q.子供の戸籍をどうするか迷ったら?

戸籍については普段意識して考える機会がありません。戸籍自体どういうものか良く分からない方は、離婚時に子供の戸籍をどうしようかと迷われることもあるでしょう。

もし子供の戸籍をどうするか迷ったら、上でご紹介したメリットやデメリットを良く考えることをおすすめします。特に母親が婚氏続称により子供と同じ氏の場合は、戸籍が別になっていることに気が付きにくいです。

後々のことまで考えて結論を出すようにしましょう。

Q.子供の戸籍について元夫とトラブルになったら?

子供を自分の戸籍に移したいのに元夫が許さない、子供の戸籍のことで元夫の親族とトラブルになっているという場合は、法律の専門家である弁護士に相談しましょう。自治体が開催している法律相談では、無料で弁護士に相談できる機会があります。

また家庭裁判所でも法律相談に応じてくれる場合があります。実際に法的手続きに入る前に、弁護士や近くの家庭裁判所で相談すると、適切なアドバイスを貰えるでしょう。

再婚後の子供の戸籍はどうなる

離婚後に新しい夫と再婚した場合、自分の子供の戸籍はどうなるのかは気になるところです。子連れ再婚後のトラブルを避けるためにも、法律や戸籍について学んでいきましょう。

手続きをしなければ子供と夫婦は違う戸籍

再婚後、特に子供の戸籍の手続きをしない場合は子供と再婚夫婦の戸籍は違う状態になります。再婚した夫の戸籍に入籍するのは妻だけで、妻の子供はもとの戸籍に残るためです。したがって子供の氏も変わりません。

この場合再婚した夫婦と、同居の子供の名字が違うということになります。

再婚相手の戸籍に入れるには「入籍届」が必要

再婚相手の戸籍に子供を入れる場合は、子供の「入籍届」を役所に提出しなければなりません。あらかじめ「子の氏の変更許可申出」の手続きにより、子供の氏を再婚相手と同じに変更してからの入籍になります。

再婚相手の戸籍に入れないけど、夫婦と名字が別だと何かと不便というケースもあるでしょう。この場合では「子の氏の変更許可申出」の手続きだけを行うこともあります。

再婚相手との親子関係を作るには「養子縁組」をする

再婚相手の戸籍に子供が入り同じ氏になっても、再婚相手と子供には親子関係がありません。法的に親子だとみなされるためには「養子縁組」という手続きが必要になります。養子縁組をすると再婚相手には子供の扶養義務が発生します。

また再婚相手が死亡した時には、自分の子供に再婚相手の実子と同様の財産相続権が与えられます。このように子連れの再婚には、複雑な手続きや準備が必要になります。

再婚する際は子供の戸籍のことも考え、再婚相手としっかり話し合い決めていくことが大切でしょう。

離婚後の子供の戸籍は早めの手続きが肝心

子供を自分の戸籍に入れたい、子供の名字を変えたいという場合は、離婚後なるべく早めに手続きを行うことをおすすめします。上でご紹介した通り離婚後何年も経った後での手続きは、申出を認めてもらえないことがあります。

戸籍や氏は子供の将来にも関わってくる問題です。元配偶者や再婚相手などとよく話し合ったうえで選ぶことをおすすめします。もし戸籍や氏について不安や疑問がある際は、弁護士や家庭裁判所に相談しましょう。

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