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別居の有無は離婚に影響?子持ちでも違いあり?どちらが得策か解説

離婚を検討している方がよく抱える悩みの1つとして、別居をするかどうかの問題があります。離婚に対する意欲が高いのであればすぐに離婚をした方が新たな生活をスタートさせやすいようにも感じますが、現在の状況や子どもの有無などによってもすぐに離婚が躊躇われることはありますよね。

そこで、本記事では別居の有無によって離婚にどのように影響するのか、子どもがいるのといないのとでは別居の必要性に違いがあるのか、別居と即離婚とのどちらが得策なのかを解説していきます。

別居に踏み切るか悩んでいる方は、ぜひ今後の参考にしてください。

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別居あり・なしで変わる!離婚への影響

結論を述べると、別居の有無は離婚に対して大いに影響があります。それではどのような差があるのか、3つの差について説明していきましょう。

法律上離婚の可決判断に差がでる

別居そのものは、法律上で離婚が認められる原因とはなりません。そのため、別居=即離婚ではありません。しかし、別居が長期間にわたって続いているということは、夫婦関係が事実上破綻しており修復困難であると判断されることになります。

したがって、配偶者が離婚に承認してくれない時などは別居をしているかいないかで可決判断に差が出るのです。別居期間が長ければ長いほど、離婚しやすい状況が生まれます。

冷静に考える時間の確保に差がでる

離婚を検討するということは、既に夫婦関係が破綻してきており、今後夫婦で生活を維持していくのが難しいという状況です。この場合、ひとつ屋根の下で共に暮らしていると、冷静に考える時間がなかなか確保できないという問題が浮上します。

そこで別居をはさむことで、本当に離婚を決断するのか、夫婦関係の修復の可能性はないのか、相手と自分とでそれぞれに反省点はあるかなど、落ち着いて考える時間ができます。

衝動的に離婚したくなるケースもあるでしょう。しかし、後先考えずに離婚をするのと別居という冷却期間を置いての離婚を迎えるのとでは大きな差が生じます。場合によっては、離婚という判断を捨て再度同居をスタートさせるという可能性もあります。

子どもへの精神的な負担に差がでる

夫婦の離婚に一番影響を受けるのは我が子です。特に未成人の子どもの場合、育児環境だけでなく精神的な面に対しても離婚は大きな影響を与えます。そのため、離婚の前に別居というワンクッションを置くことで、子どもへの精神的な負担を最小限にすることができます。

ゆくゆくは片親になるであろう覚悟を子どもにさせられますし、場合によっては引っ越しや転校、姓の変更も起こるため、子どもの学校のタイミングをはかって離婚を考える夫婦は少なくありません。

離婚と別居で悩んでいる人の反応・意見

離婚と別居のどちらを選択するのか、世間でも多くの方が日々悩んでいる問題です。自分だけではないこの悩みに対して、世間ではどちらを選択する人が多いのでしょうか。

具体的なメリット・デメリットを知る前に、まずは実際に行われたアンケート調査によるデータと意見から世間の反応を知っておきましょう。

世間の判断は五分五分

トラブル解決プラットフォームのカケコムが実施したアンケート調査「配偶者と別れたいと考えた時、別居と離婚、どちらを選びましたか?」によると、離婚が49%で別居が51%という結果が出ています。

やはり別居と離婚は一般的に見ても選択が二分しやすい問題のようです。加えて同アンケート調査にて男女別で見た回答を比較した結果、女性よりも男性の方が離婚を選んだ比率がやや高くなっています。

このアンケートに答えた女性が別居を選択した訳には、子どもに関係するものが多かったのです。

子どもの有無によっても意見は異なる

子どもがいる場合、離婚は夫婦2人だけの問題ではありません。そのためか、子どもの有無によっても離婚を取るか別居を取るかの意見が異なってきます。Yahoo!知恵袋に挙げられている実際の声を見ていきましょう。

子供が安定した生活を送れることと自分の幸せとどちらを優先すべきか迷っています。

引用:Yahoo!知恵袋

不倫で離婚するかしないか 主人の不倫が発覚したのは昨年の秋。約1年間関係を続けていたとのこと。その際、離婚の話が出ましたが、子供もいるので、相手との関係を断つと約束をし、普段通りの生活に戻っていました。

引用:Yahoo!知恵袋

お子さんのことを考えるとしばらくは今のままがいいんじゃないかなと思います。まだお子さん小さいですし。 奥様ととにかく離れたいということなら 、別居を選択。

引用:Yahoo!知恵袋

離婚したいと思っていても、子どもが小さい場合は片親になるという精神的な影響だけでなく、経済面や1人親での育児面なども考えなければならず、なかなか即離婚に踏み切れない人は多く見られます。

離婚前の別居はメリットを感じやすい

実際のところ、離婚までに別居をすることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは特に代表的なメリットを3つ見ていきましょう。

離婚の準備期間が設けられる

離婚手続きは、離婚届を役所に提出すればすぐに完了というわけにはいきません。子どもがいれば親権をどちらにするか、夫婦の共有財産をどのように分けるか、マイホームはどうするか、住宅ローンの問題、離婚後の生活など、離婚に関連してさまざまな手続きが必要になります。

そうした手続きに対する準備期間を別居によって設けることができるのです。離婚後に手続きはすれば良いものも多いですが、突発的に離婚をしてしまうと後々トラブルになるケースも多いため準備期間があるのは大きなメリットです。

婚姻費用を受け取れる

本来、結婚している夫婦は原則として同居して共同生活をおくるものです。こうした夫婦の結婚生活に必要な費用を婚姻費用と呼び、この費用は夫婦のそれぞれの収入や資産に応じて分担する義務が法律で定められています。

そのため、たとえ別居をしていても婚姻関係が続いている限り配偶者から婚姻費用を受け取ることができるというわけです。しかし、中には婚姻費用の支払い拒否をされるケースもあるため、事前に正式な文書で婚姻費用に関する取り決めを行うのがおすすめです。

DVやモラハラから身を守れる

離婚を検討する原因の中には、場合によっては配偶者からのDVやモラハラ問題があります。そうした場合、スムーズに即離婚といかないケースも多く、自分と子どもの身の安全を確保するためには別居を選択するのが良いでしょう。

ひとまず配偶者から距離を置くことで、これ以上の被害を受けることがなくなり、落ち着いて離婚手続きのための準備を行うことができます。ただし、別居先に配偶者が乗り込んでこないよう注意は必要です。

別居によるデメリットは主に4つある

メリットの多い別居ですが、残念ながらデメリットもあります。メリット・デメリットのどちらもよく知った上で、自分が置かれている状況としてはどちらがより得策なのかを考えていきましょう。

慰謝料を請求されるリスクがある

別居を選択した場合、配偶者が拒否しているにもかかわらず強行突破すると慰謝料を請求されるリスクが発生します。なぜなら、夫婦には同居する義務が法律で定められています。

そのため、特別な理由なしで相手からの許可なく家を出ていくと「同居義務違反」と判断され、自分側が離婚の原因となる「悪意の遺棄」とみなされてしまうのです。

不倫等の証拠が収集し辛くなる

離婚を検討する理由が、配偶者の不倫や浮気だった場合は別居によってそれらの証拠収集が難しくなってしまいます。同居していないと普段の生活リズムがわからず、不倫現場を抑えたり不審な動きを監視したりすることができなくなります。

そのため、もし別居する場合には事前にできるだけ多くの証拠収集をしておく必要があるでしょう。

共有財産を隠蔽される危険性がある

離婚時に財産分与の対象となるのは、夫婦の共有財産です。この財産には、マイホームや土地などの不動産から株や保険、夫婦で購入した物品などさまざまあります。すべての対象財産を日頃からチェックしているという方は少なく、財産分与の手続き時に初めて知るものもあることでしょう。

そのため、離婚がチラついた別居が開始する際、場合によっては別居中のチャンスを活かして共有財産を隠してしまう配偶者もいます。知らぬ間に隠蔽されぬよう、別居前に財産分与の対象となるものは何が存在するのかをチェックして文書に残しておきましょう。

家賃の負担が増える

別居をすると、当たり前ですが配偶者が住む家と自分が住む家とで2倍の家賃負担がかかります。別居中であっても婚姻費用を受け取ることはできますが、今までかかっていなかった費用がプラスされていることで、今までよりも生活費が厳しくなるのは当然です。

婚姻費用はいくらでも受け取ることができるわけではなく、自分と相手の収入に応じて分割されるため、相手の所得が増えない限りは貰える額が多くはなりません。場合によっては別居開始後に新しい仕事を探す必要性も出てくるので、事前に生活費と婚姻費用との収支を計算しておく必要があります。

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子どもがいるなら別居が得策!

メリットもデメリットもある別居ですが、もしも子どもがいる場合は別居をした方が得策です。なぜ子どもがいると別居の方が良いのか、理由は4つあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。

親権を獲得する可能性が高くなる

離婚の際に親権問題は発生するものですが、多くの方は親権を獲得したいと思っていることでしょう。その場合、別居で配偶者ではなく自分が子どもと生活を送ることにより、親権を獲得する可能性は高くなります。

なぜなら、離婚前後で子どもはできるだけ生活環境が変わらない方がいいという考え方があるからです。特に幼い子どもの場合、環境の変化は健やかな成長を阻害してしまうと判断されるため、同居している方の親との生活に特に問題がなければ、離婚後もそのまま同居している親が親権を持つのが良いと判断されます。

婚姻費用には養育費も含まれる

婚姻費用とは、夫婦が結婚生活を送るために必要な費用のことです。この費用は、自分の生活費をはじめとして共に生活をする子どもの養育費なども含まれています。そのため、別居中も自分と子どもが生活していくのに困らない額を貰えます。

離婚となると、親の義務として元配偶者から子どもへの養育費は払われるものの、自分の生活を確保するための費用は支援してもらえません。慰謝料を請求することができない状態であれば、養育費を含む婚姻費用で生活をする方がメリットは大きいのです。

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子どもに心の準備期間が確保できる

親の離婚は子どもに大きな影響を与えます。そのため、突然離婚の決定を伝えるよりも一度別居をはさむことで、子どもに片親になる心構えをさせることができます。

少しでも精神的負担を減らし、片親になっても心身ともに健康に生きていくためにも準備期間は必要なのです。

子どもの姓を変えずに済む

親権を獲得した場合、離婚後に旧姓に戻すと子どもの姓も自分の旧姓へと変わることになります。幼稚園から小学校、中学校程度のまだ幼い子どもにとっては姓の変化は大きな影響を及ぼすもので、我が子に対する周囲の目にも影響します。

別居であれば姓を変える必要はないため、そうした影響を与えずに済むのがメリットでしょう。

子どもがいない場合はすぐに離婚もOK

みなさんの中には、子どもがいない状態で離婚を検討している方もいらっしゃることでしょう。そのような場合には、あえて別居をはさまずにすぐに離婚に踏み切る方が良いケースも多くあります。

なぜすぐに離婚するのが良いのか、その3つのメリットを解説して本記事を締めくくっていきましょう。

家庭に縛られない新たなスタートが切れる

子どもがいない場合は、離婚を選択することで再度独身となり、家庭という縛りから離れることになります。今後再度家庭を持つ可能性もありますが、今はフリーで身軽なため、どんなチャンスへも挑戦できるという自由があります。

別居により配偶者との関係性を続け、曖昧な状態で家庭を続けていくのではなく、離婚を選択することですっぱりと関係を断ち、新たな人生のスタートを切ることができるのです。

仕事に専念できる時間が増える

子どもがいない場合、離婚をすると24時間すべての時間を自分のために投資することができます。そのため、家庭を保つために行っていた家事の時間を趣味や仕事に割り当てることができ、仕事に専念できる時間が増えます。

今まではパートタイムでしか働けていなかったという方も、離婚を機にフルタイム勤務も可能となるのです。

再婚相手を探しやすい

実質夫婦仲が破綻していようとも、別居中に配偶者以外の異性と親密な関係になるのは不倫となってしまいます。場合によっては慰謝料を請求される危険性があるため、新たな人生をスタートし再婚相手を探したいという場合はすぐにでも離婚をするのがおすすめです。

相手にとっても、未だ形式上とはいえ婚姻関係にある異性と親密になるのは気が引けるものでしょう。再婚相手を探すなら、別居よりも離婚を選択するのが賢明です。

即離婚はちょっと待って!今後の生活を考えてより良い選択を

離婚と別居にはそれぞれメリット・デメリットがあります。解説してきた通り、どちらか一方が特別に良いというわけではありません。子どもの有無によってもより良い選択は異なります。

しかし、どのような状況であっても後先考えずに即離婚を選ぶのは危険です。本当に離婚が自分のためになる選択肢なのか、今後の生活はどうするのか、別れた後は何をしたいのか、子どもはどうするのかをよく考えて、自分にとってより良い道を選んでいきましょう。

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