ドラマやアニメでは探偵はどんな難事件でも解決できる存在として描かれていますが、現実の探偵が同じように何でもできるわけではありません。
現実の探偵には依頼できる内容、依頼できない内容があります。
今回は探偵に依頼できる内容や依頼できない内容、どんな依頼内容が多いのかを解説していきます。探偵への依頼を考えているけれど、悩んでいるという人はぜひご覧ください。
探偵に依頼できる内容とできない内容
まずは、探偵に依頼できる内容と依頼できない内容から見ていきましょう。
探偵に依頼できる内容
- 浮気調査
- 素行調査
- 人探し
- 身元調査(結婚調査)
- 嫌がらせ調査
- ストーカー対策調査
- 盗撮器・盗聴器探し
- 企業の信用調査
探偵に依頼できる内容は大きく分けると上記のとおりです。ここからは1つ1つ解説していきます。
浮気調査
浮気調査は、探偵への依頼内容で最も多くなっています。妻や夫が不貞行為をしていないか調査するもので、尾行や張り込みなどをして調査します。
配偶者が浮気相手と密会していた場合は、撮影をして証拠映像を残します。
素行調査
対象者の素行・行動・交友関係などを調査します。尾行や張り込み、聞き込みなどを行って調査します。
人探し
知人や身内が行方不明になったときの捜索をします。探偵独自のネットワークで捜索をしていく調査です。
身元調査(結婚調査)
結婚を約束している婚約者や恋人の身元を調査します。異性のプロフィールの裏取りや、二股などをしていないか確認して、結婚後のリスクを減らせます。
嫌がらせ調査
近隣住民とのトラブルや、日常生活で起こる人間関係が原因のトラブルについて、調査したり対策をします。
ストーカー対策調査
知人や知らない人に付きまとわれたり、嫌がらせを受けているときに、ストーカー被害の実態を調べて、ストーカー行為をやめさせるための対策などをアドバイスします。
盗撮器・盗聴器探し
盗撮器や盗聴器が、自宅やオフィスなどに隠されていないか調査します。調査して発見できる盗撮器や盗聴器は、探偵業者の技術力で変わってきます。
企業の信用調査
取引をする企業が信用できるか判断するための調査です。代金の未払いや商品の未納品などを防ぐために行います。また、今後も取引をしたい企業との商談を有利に進めるときにも利用されます。
探偵に依頼できない内容
- 出身地・国籍・宗教など差別につながる調査
- ストーカーなどに加担する調査
- 口座残高・クレジットカード・借金の残高調査
- 特定の人物を退職させる工作
- 違法調査
上記のものは探偵に依頼しても受けられない内容です。
探偵の依頼内容別調査方法
ここからは依頼を探偵がどのように調査していくのか解説していきます。
探偵の浮気調査の方法
浮気調査の依頼では、離婚などが目的の場合と、やり直したい場合に分かれています。どちらの場合でも、浮気をしている証拠を集める必要があるため、探偵は証拠集めを目的として調査していきます。
- 尾行・対象者の行動を尾行(出張と言って出かけたが、本当に出張なのか確かめる、など)
- 張り込み・ホテルに入っていく、ホテルから出てくるときを撮影する
- 浮気相手への行動調査・浮気相手が分かっている場合、浮気相手を尾行したり張り込みをして証拠を集める
- 聞き込み・対象者や浮気相手の周辺人物や、よく行くお店で聞き込みをする
浮気調査は上記のように進められていきます。地道な調査を繰り返していく必要がありますし、周囲にバレないように調査を進める必要があるため、高い技術や高性能な機材が必要です。
情報が多いと調査は早く進む
対象者の行動が明確にされていると、尾行や張り込みがしやすくなります。
例えば退社時間や出張の日時、行き先が分かっている場合や、金曜日に飲み会があるなどの情報があると、探偵の人数や調査回数が減ります。
反対に、浮気の可能性はあるものの情報がまったくないという場合は、調査に時間がかかるため、料金が高くなったり時間が必要となってしまいます。事前に知っていること、分かっていることは探偵にすべて伝えておくと良いでしょう。
盗聴器やGPSを使う機会は少ない
探偵は新しい機械を使って調査を行いますが、盗聴器を使った調査はあまり行いません。盗聴器は仕掛ける場合、対象者の自宅に入ることになりますが「住居侵入罪」「器物破損罪」などに問われることがあるからです。
依頼者が協力をして盗聴器を仕掛ける場合でも、プライバシー侵害行為とされることがあり、対象者から訴えられる可能性も出てくるため、盗聴器はほとんど使いません。
GPSを使うこと自体は違法ではありませんが、対象者のスマホに勝手にGPSアプリをインストールすると「不正アクセス禁止法」に問われる可能性がありますし、GPSアプリもプライバシー侵害行為とされる可能性があるため、使うケースは少ないです。
探偵の素行調査の方法
素行調査は家族が怪しい行動をしていると感じたときに、探偵に依頼するケースがほとんどです。
- 配偶者が借金を抱えているのに何も話してくれない
- クレジットカードの請求額が高いが使用用途が分からない
- 単身赴任中の行動が気になる
- 離れて暮らしている子どもが心配
- 子どもが不良と付き合い始めたため心配
これらの相談や依頼が多くなっています。
素行調査の場合も、先ほどの浮気調査と同じような調査方法です。尾行や張り込み、聞き込みなどを中心に調査していきます。
子どもの様子が心配な場合は、よく行くお店での様子や、周辺人物への聞き込みも行います。
クレジットカードの利用履歴などは調べられない
探偵がどれだけ頑張って調査しても、クレジットカードの利用履歴や借金の有無などは調べられません。
クレジットカードなどの借入状況は、下記の3機関で調べられますが、本人しか請求できません。
- JICC(日本信用情報機構)・消費者金融、銀行
- CIC・消費者金融、クレジットカード会社
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)・銀行のローン、日本学生機構
本人以外が調べる場合は、弁護士の照会か委任状が必要です。
ちなみに、開示請求は郵送でも可能なので、なりすまして請求することは禁止されているので気をつけましょう。
また自宅にクレジットカード会社から郵便物が届くこともありますが、本人以外が開封すると信書開封罪という罪に問われるため注意が必要です。
探偵の人探し調査の方法
- 生き別れの兄弟に会いたい
- SNSで知り合った異性に騙された
- 素性の分からない男性と交際したが妊娠直後失踪した
- 初恋の人に会いたい
- 亡くなった父に隠し子がいたため所在を知りたい
上記のように様々な 人探しの依頼があります。
探偵が人探しをするときには、依頼者からの情報を手がかりにして、行き先を予測していきます。
調査方法は聞き込みを中心にして、おおよその居場所が特定できたら張り込みを開始し、対象者がいるのか確認していきます。依頼者からの情報が大切なので、できるだけ詳細に伝えると良いでしょう。
- 氏名・本名やニックネーム、SNS名など
- 生年月日・実年齢より幼く見えるなど
- 身体的特徴・体型や髪型など
- 行方不明になったときの状況・考えられる原因やトラブルなど
- 電話番号・スマホカバーなどの特徴
- SNS・使っているSNSやアカウント名など
- 写真・直近の写真など
- 所持金・所持していると考えられる金額
- 服装・行方不明になるときに着ていたであろう洋服
- 持ち物・普段よく使うバッグや財布など
- 勤務先や学校・勤務先の名前、住所、電話番号など
- 交友関係・仲の良い友人や通っているジムなど
- 経歴・過去の経歴や結婚歴など
これらの項目が分かっている場合は、探偵に伝えておくと調査はスムーズに進みます。
暴行されたりお金を盗まれた相手の素性が分からないという場合は、警察に届け出を出しつつ探偵に調査を依頼すると、より早く発見できます。
人探しの調査は、依頼される内容によって必要な情報は変わってくるので、それぞれのケースに合わせて柔軟に対応してくれる探偵事務所がおすすめです。
探偵の料金の相場
探偵に依頼するときの料金は、実際にかかった時間と人件費で大きく変わります。
調査員の数×調査にかかった時間×調査員の時給×車両費や機材費など
料金の計算方法は上記になります。今回は探偵への依頼で1番多い浮気調査の相場を解説していきます。
時給型の相場
時給型は最も多い料金形態で、1時間あたりの料金が予め決められています。浮気調査の場合は、1時間1人の調査員に対して5,000~15,000円が相場です。
時給型を選ぶ場合は、事前に情報を多く渡して、早く調査が終わるようにしましょう。
すぐに終わる調査であれば時給型で良いでしょうが、長くかかりそうな調査の場合はパック型の方が安くなることも多いです。
時給型の料金プランの例
- 1時間10,000円
- 調査時間8時間
- 探偵は2人
このようなときに発生する金額はおよそ160,000円です。
調査が数日に及ぶ場合は、日数分の調査費用が発生しますし、交通費や機材費も経費としてプラスされます。
パック型の相場
パック型は、24時間○円などと、調査する時間と料金が予め決められています。
調査する期間が長ければ長いほど、1時間あたりの料金は安くなるので、調査が長くなるときにおすすめの料金形態です。
探偵事務所にもよりますが、パック型は200,000~1,000,000円程度になります。パック型もケースによって料金は変わって様々なので、無料相談時や見積もり時に確認しましょう。
成果報酬型の相場
成果報酬型とは、浮気調査が成功したあとに、成功報酬としてお金を払うというものです。
最初に手付金として3割程度を支払い、調査が完了したら残りの費用を払うことになります。
依頼者側からすると1番ありがたい料金プランですが、悪質な探偵事務所を選んでしまうと、手付金を支払った段階で連絡がつかなくなることもあります。
成果報酬型を選ぶ場合は、信頼できる大手探偵事務所を選ぶか契約書をきちんと読んで確認することが大切です。
調査の難しさでも料金は変わる
調査する内容や、事前に得られる情報が少ないと調査は難しくなります。調査が難しくなるということは、調査にかかる時間が長くなるということにつながるので、時給型の料金プランの場合は料金がかなり変わってきます。
- 浮気している曜日、時間、場所が判明していて移動手段も分かっている
- 浮気している曜日だけ判明していて、移動手段も分かっている
- 浮気している気がするが、ほかは何も分からない
上記のような状態のとき、1番上のもので発生する料金が100,000円だとすると、1番下のものは300,000円程度と3倍近くになります。
なので、情報がほとんどないときには時給型の料金プランではなく、パック型の料金プランを選んでおきましょう。
信頼できる探偵の選び方
探偵事務所は全国にたくさんあるので、どこの探偵を選べばよいのか分からない人がほとんどでしょう。
信頼できる探偵事務所であれば、成果報酬型の料金プランも選びやすく、悩みが解決できるでしょうが、悪質な探偵事務所だとお金を騙し取るだけで何もしないケースもあります。
悪質な探偵事務所に騙されないためにも、信頼できる探偵事務所の選び方を解説していきます。
実績が多い探偵事務所を選ぶ
実績が多い探偵事務所は、調査経験が豊富なので、依頼内容に合わせて臨機応変に対応してくれます。
調査経験が豊富だと、経験が長い探偵も多くいるので、調査がスムーズに進みますし、実績の多さで選ぶことが1番安定しています。
分かりやすい料金体系をしている
料金体系が分かりやすいかどうかも、信頼できる探偵を選ぶときには大切です。
料金体系が分かりやすくなっていることで、料金が騙し取られていないか、相場より不必要に高くなっていないかが判断できます。
悪質な探偵事務所は、調査費用を安く見せて、調査途中に発生するオプションや経費が必要以上に高くしてきます。
料金体系が分かりやすいかどうかは、契約するときに料金のことを質問してみて、丁寧に分かりやすく答えてくれるかで判断できます。
またインターネットで口コミを調べてみて、被害にあった人がいないかも確認してみましょう。
探偵業届出証明書が交付されている
探偵業届出証明書が交付されているかどうかも、ホームページなどで確認してみましょう。
探偵業届出証明書は、探偵業者が探偵業をしていることを、警察の公安委員会に届け出たという証明書です。
探偵業届出証明書があることで、公安委員会が定めた法律のもと探偵として調査が可能になります。
もしも探偵業届出証明書がない場合は、探偵業者として法律に認められていないということになります。
探偵に調査を依頼する流れや期間
初めて探偵に調査を依頼するときは、分からないことばかりだと思います。
今回は探偵への依頼内容で1番多い浮気調査を例に、調査開始から調査終了までの流れを解説していきます。
無料相談
まずは探偵事務所に無料相談をしましょう。
無料相談は電話、メール、ラインなどで行えるので、どれを利用しても構いません。
無料相談では、調査の内容、かかる費用、今後の方針などをプロからアドバイスしてもらうことが可能です。
無料相談を行って、探偵に依頼をしようと思ったら、探偵事務所で面談が行われます。
見積もり
面談の際には、調査費用の見積もりをしてもらいます。
料金体系は、時給型やパック型、成果報酬型など探偵事務所によって異なりますし、発生する費用も異なります。
基本的に調査期間が長くなるほど、料金は高くなってしまうので、伝えられる情報は多ければ多いほど良いです。
契約
見積もり内容を確認し、納得ができたら契約となります。
契約後には料金の支払いをするケースがほとんどです。
調査前の準備
契約後、探偵は調査前準備を行います。
調査前準備では、対象者の行動範囲、スケジュール、浮気相手の情報などを仕入れていきます。
調査開始
事前に依頼者から聞いた情報をもとに、1番良い方法で調査を開始します。
調査には、有効な情報を得るための予備調査と、尾行や張り込みをする本調査の2種類あります。
中間報告
調査中は、定期的に担当者から連絡が入ります。
対象者が浮気をしている証拠が撮影できたり、浮気していることが確認できたなどの報告が届きます。
この中間報告によっては、調査が早く終わることもありますし、反対に長引くこともあります。
調査終了
調査が終了すると、裁判に有効な報告書が作成されます。
この報告書には写真やDVDなどが添付されており、浮気をしていた証拠が記載されています。
この段階で追加の調査が必要だと判断された場合、依頼者に同意を得て調査を再開することがあります。
調査報告書の交付
調査報告書が完成後、報告書が交付されます。
調査報告書が完成した後は、探偵事務所によってアフターフォローが入ります。
アフターフォローがある探偵事務所であれば、浮気発覚後に、お互いの関係を修復するのか、証拠を使って愛人に交渉するのかなどを選べます。
探偵に依頼するときの注意点
探偵に調査を依頼するときには、知っておいて欲しい注意点があります。
無駄な料金や労力を抑えられるので、確認していきましょう。
料金を事前に把握しておく
信頼できる探偵の選び方でも説明しましたが、料金が事前に把握できるかは、とても大切です。
悪質な探偵事務所は、調査費用を高く見積もったり、依頼者だけでなく、調査対象者からの料金を取るケースもあります。
納得ができる結果にならないだけでなく、お金も無駄に取られてしまうので、怪しい料金体型の探偵事務所には依頼しないでください。
浮気調査の場合は浮気している確証を得ておく
浮気調査を依頼するときは、浮気をしている確証が得られてからにしましょう。
浮気をしている確証がない場合は、探偵は浮気をしている証拠集めから始めることになります。
浮気の証拠を集めるには時間がかかることが多く、その分費用がかさんでしまうため、確証を得てからの方が良いのです。
対象者の行動範囲や浮気相手と会っている頻度などが分かっている場合、発生する費用は抑えられます。
財布の中のレシートや、怪しいなと感じた日付をチェックしておくと良いでしょう。
1人で調査をしすぎない
浮気している確証を得ようと、1人で調査をしすぎないことも大切です。
浮気の証拠を探していると、自分1人で調査できる気がしてきますが、対象者にバレて警戒心を強めてしまうことがあります。
警戒心が強まってしまうと、探偵に依頼したあとでも時間がかかるようになり、結果的に費用が高くなってしまいます。
また「GPSをつける」「対象者の自宅にカメラをつける」「対象者のスマホにアプリをインストールする」などを行うと、相手に訴えられる可能性もあります。
行き過ぎてしまうと、違法行為に当たってしまうので、無理のない範囲で浮気の証拠を集める程度にしておきましょう。
おわりに
今回は探偵に依頼できる内容や依頼できない内容について解説してきました。
探偵には、浮気調査や人探しなど様々な依頼が届きます。1番多い依頼内容は浮気調査で、次いで人探しの調査が多くなっています。
どの調査も尾行や聞き込みなどを繰り返していくもので、ドラマや漫画のように派手な調査はほとんどありません。
信頼できる探偵事務所に調査を依頼するためにも、悪質な探偵事務所を選ばないように気をつけましょう。
無料相談が受けられるか、探偵業届出証明書が交付されているか、料金体系が分かりやすいかなどで良い探偵事務所か判断すると良いでしょう。