夫に浮気をされたとき抱く感情は、怒りや辛い気持ち、不安などさまざまです。しかし、夫にそのままの感情をぶつけることは得策ではありません。夫が反省をしているのに妻から水を差されれば、修復可能な事態でも困難になることがあるのです。
まずは自分の心の傷と向き合い、次に取るべき行動を知りましょう。夫の浮気との距離の取り方が分かれば、きっと自分の手で未来を明るいものにできますよ。
夫の浮気を知った時に妻がとるべき行動
夫の浮気を知った時は、自分の気持ちと向き合ってから夫と話し合いを持ちましょう。さまざまな感情が交差しますが、自分の気持ちを大事にしてこそ、夫との話し合いが成り立つのです。どう行動したら良いかを時系列にまとめました。
ステップ1:自分の気持ちと向き合おう
夫の浮気を知って、自分が心の傷を負っているという自覚をしましょう。周りを気にしたり無理に笑ったりしなくて良いのです。一人の時間を作り、自分の素直な気持ちと向き合いましょう。
1-1:浮気の事実と辛い感情を受け入れる
夫の浮気の事実と、自分の辛いという感情を素直に受け入れましょう。信頼をしていた夫に裏切られ、事実として受け入れたくない気持ちも分かりますが、受け入れない限りは前に進めません。
辛い感情は無理せず吐き出しましょう。負の感情は、徐々に夫や浮気相手に対して攻撃的な行動へ変換される危険性があります。信頼できる人に話したり、ノートに書きだしたりして発散しましょう。
事実と感情を受け入れることが、もっとも難しい工程です。この時点で自分の感情をうまくコントロールできれば、その後も冷静に対処することができます。
1-2:決して自分を責めない
浮気をされても決して自分を責めてはいけません。人によっては「もっと自分が努力をしていれば」「夫との時間を作っていれば」と後悔することがあるでしょう。しかし過去を振り返っても今を変えることはできません。
しっかり先を見据えて、どうしたら問題を解決できるかを考えましょう。夫の浮気という事実で、もう十分傷ついています。それ以上自分を傷つける必要はないのです。
それでも自分を責めてしまいそうな時は、別なことを考えましょう。仕事のことや夕飯のこと。夫以外の事なら何でも構いません。ときには、浮気の事実から目を逸らすことも必要です。
1-3:自分がどうしたいかを考える
落ち着いたと自覚できたら、自分がどうしたいかを考えましょう。これまで夫との生活の中で、自分がどうしたいかと考える時間などなかったはずです。
夫に多少の不満があっても目をつむっていたなら、浮気によって別れたいという気持ちになるでしょう。傍にいて当然と思っていた夫が他の女性といた事実を知って、自分の中の愛情に気付く場合もあります。
これまでの自分の気持ちを確認する作業は、自分を労わる事、認める事につながります。浮気によって負わされた心の傷を癒し、失われた自信を取り戻す過程ととらえ、丁寧に自分に寄り添ってあげましょう。
1-4:人に話せないならカウンセラーを頼ろう
夫の浮気を人に話せないなら、カウンセラーを頼りましょう。どんなに親しい友達や親戚がいても、夫の浮気は気軽に話せる問題ではありません。SNSやネットに書き込む手段もありますが、内容が残ってしまうためおすすめできません。
心理カウンセラーなら個人情報を守ってくれ、自分が気付いていない気持ちを引き出してくれることもあります。辛い気持ちとの向き合い方も、状況に沿った適切なアドバイスをくれるでしょう。
自分で気付いていなくても、専門家から見れば治療が必要なケースもあります。適切な助言をくれ、治療が必要なら医療機関を紹介してくれる。カウンセラーを頼れば、きっと自分との向き合い方を明確にできるでしょう。
ステップ2:夫と向き合おう
しっかり自分の気持ちと向き合うことができたら、夫と向き合う時間を作りましょう。このタイミングなら、お互いに冷静さを取り戻しているはずです。浮気の詳細を把握し、夫がどうしたいのかを確認しましょう。
2-1:浮気の状況を整理する
夫と向かい合って、浮気の状況を整理しましょう。夫婦で状況確認することで、分からない点は質問でき、事実が明らかになることがあります。新たにショックを受ける場合もありますが、誤解だったと前を向けることもあるでしょう。
夫には具体的な浮気の回数や頻度、不貞行為を働いたか否かを明確にさせましょう。相手の女性に家族があるかどうかもその後どうすべきかの判断材料になります。この時、慰謝料や養育費の金額を二人で確認しても良いでしょう。
離婚を決意した夫が浮気した男の結末を知れば、妻との復縁に考えが傾くこともあります。夫に嘘をつかせないという意味でも、妻は冷静に状況を聞くことを心がけましょう。
2-2:夫がどうしたいかを聞いてみる
浮気の状況が整理できたら、夫がどうしたいかを聞いてみましょう。浮気の詳細を聞いて「夫の意見なんてどうでもいい」という気持ちになっても、夫の考えがあなたの考えを変えることもあります。
自分が主導権を握る態度は変えず、寛大な気持ちで夫の希望を聞きましょう。言い訳や愚痴をこぼされても、そのまま聞き流します。
夫の意見を聞いたからと言って、必ず希望を叶える必要はないのです。自分に関わることや長期的に必要になることだけ受け止め、未来に活かすようにしましょう。
許せるか許せないかで方向性が決まる
浮気した夫は違法行為を犯したことになるため、立場的には浮気された妻が強いことがほとんどです。結局のところ、妻が夫の浮気を許せるか許せないかで未来が変わってきます。
許してやり直す場合に注意すべきこと
浮気を許すという決断をした場合、同じことを繰り返さないためにも以下の事に注意を払いましょう。これまでの夫婦の関係性とは異なる家庭も出てくるはずです。しかし家庭円満を維持するためには、関係を再構築する必要があります。
根本的な問題を解決する
浮気の原因となった根本的な問題は、放置せずに必ず解決しましょう。問題が解決されなければ、ほとぼりが冷めた頃に夫はまた浮気を繰り返します。
会話をする時間がなかった、帰宅しても居場所がなかった場合なら、一日の中で必ず夫と話す時間を作ります。暇を持て余していた、遊びたかったなら夢中になれる夫婦共通の趣味を作りましょう。
問題を解決するための話し合いを持てば、妻の真摯な姿勢が夫に伝わります。変わろうとしている妻に夫も刺激されて、浮ついた気持ちそのものを変えることができるのです。
夫婦平等であることを忘れずに
浮気を許してやり直す決意をしたら、夫婦平等であることを忘れないでください。浮気された妻は、同じことを繰り返されたくない気持ちから夫の顔色ばかりを見てしまいます。
毎日夫の好きな食事を作ったり、部屋を完璧にきれいにしたり、妻ばかりに負担が偏ってしまうことがあるでしょう。浮気する前にできなかったことをしようという気持ちも分かりますが、夫が図に乗る環境を作ってはいけないのです。
これまで家事を分担していなかったなら、これを機にしっかり分担制にするのも良い考えです。自分が思ったことはきちんと意見し、夫の意見もきちんと聞ける。そんな夫婦のあるべき姿を忘れないでください。
浮気を許さないという姿勢を崩さない
浮気を許してやり直す場合でも、「浮気は絶対に許さない」という姿勢を貫いてください。少しでも隙を見せると、一度浮気した男は「また許してもらえばいい」という甘い考えから浮気を繰り返します。
強い姿勢を見せる意味で、話し合いの際に「誓約書」を作っておくと良いでしょう。「二度目の浮気があれば慰謝料500万円と離婚。子供の親権は母親。家と家具、家電は全て妻が手にする」
妻が絶対に不利にならない誓約書を作っておけば、夫は妻の本気を悟るため簡単に浮気することができません。万が一誓約書がプレッシャーになって夫が離婚を求めたら、その時復縁してもまた浮気をします。すんなり別れた方が良いでしょう。
許せないなら離婚の前に試してみよう
浮気を許せないなら離婚をする前に次のことを試してみましょう。冷静に考える時間をとることで、これまで気付けなかったことや考えなかった事に気付くことができます。後悔しない選択をするために必要な時間と捉えましょう。
復縁を見据えた別居をする
浮気を許せないなら、思い切って別居をしてみましょう。お互いの必要性を再確認できれば復縁する気持ちを高めることができます。逆にお互いに必要のない存在だと気付けば、新しい人生を歩む決意が固まるのです。
別居をする時には、その時点での自分の気持ちを夫に話しておきましょう。「復縁を見据えて冷静になる時間が必要だ」「お互いに本当に必要な存在かを確認したい」と自分の考えを述べます。
妻の考えを夫が聞いておけば、夫が自分の気持ちの整理がついたときに、妻に話し合いを持ちかけやすくなります。別居中でもお互いの気持ちを共有しておくことが大切です。
生活環境や雰囲気を変えてみる
浮気が許せない時には、生活環境や雰囲気を変えるのも良い方法です。自分自身が新鮮な気持ちになると、前向きな考え方ができるようになります。何が自分にとって必要かがよく見えるようになるのです。
大がかりな部屋の模様替えをしたり、働いていない人はパートやアルバイトをしたり大きく環境を変えてみましょう。そうなると、自分に忙しくなるため夫の浮気の事ばかり考えている暇はありません。
浮気をされて心に傷を負っているにもかかわらず、妻が前向きに生活する姿は、夫にとって「重大な罪を犯してしまった」と気付くきっかけを与えることができるのです。
浮気がフラッシュバックする時には
生活の中で、ふとしたきっかけで夫の浮気がフラッシュバックすることがあるでしょう。夫の口癖や習慣、好みがフラッシュバックのきっかけになることがあります。心の傷を癒すためには時間が必要ですが、以下の方法で和らぐことがあります。
夫にも辛い気持ちを共有してもらう
夫婦が復縁するなら、夫にも辛い気持ちを共有してもらいましょう。夫の浮気が原因で心に傷を負ったのです。自分ひとりで背負う必要はありません。
夫のどのような行動や癖でフラッシュバックするかを具体的に話してみましょう。すると夫は、妻の前できっかけになる行動を控えることができます。カバンやネクタイなど、物がきっかけになる場合には思い切って処分しても良いでしょう。
浮気された妻には、寄り添ってもらう心遣いが必要です。これまで我慢した分、夫にも存分に共有してもらいましょう。
辛さを上回る楽しい経験を重ねる
浮気がフラッシュバックする時には、辛さを上回る楽しい経験を重ねましょう。楽しい思いをすると、「自分の判断が間違っていなかった」という自信になります。ポジティブな考え方ができるようになれば、マイナスの事に目を向ける時間が少なくなるのです。
夫と一緒に美味しいお店を散策しても良いでしょう。夫と一緒にいることに抵抗があるなら、自分の趣味に没頭するのも良い方法です。
夫との距離は、焦らずに少しずつ浮気される前に戻していきましょう。「夫と別れなくて良かった」「辛い経験を乗り越えた」と思える体験が増えれば、フラッシュバックする機会も減ってくるはずです。
淡々と家事や仕事をこなす
淡々と家事や仕事をこなすのも、フラッシュバックを回避する良い方法です。フラッシュバックを起こすとネガティブなことばかり考えてしまうため、すべてがマイナスの方向へ引っ張られてしまいます。
やらなければならないことをいつも通り淡々とこなすことで、フラッシュバックを起こしにくい環境を自ら作るのです。
余計なことは考えずに、目の前にある仕事を片付ける事だけに集中しましょう。慣れてくれば、家事や仕事を効率的にこなすことができます。仕事の質も上がり、気持ちも維持できる。まさに一石二鳥ですよ。
今を乗り越えれば前を向ける
夫の浮気を知った時には、自分の気持ちと向き合うことに時間を割きましょう。次第に夫と向き合うことができるようになれば、夫婦の方向性が明らかになります。
どうしても許せない場合には、別居や環境を変えるなどのステップをふむようにしましょう。辛い今を乗り越える事ができれば、きっと前を向いて歩んでいくことができますよ。