尾行調査というとターゲットの後をつけて監視するというイメージがありますが、実際に探偵事務所が尾行する際に使うものや気づかれた際の対処法はご存知ですか?
こちらの記事では尾行調査の方法の他に費用や違法性なども詳しく解説していきます。「浮気調査を依頼したいけど不安…」という方は、探偵事務所選びの参考にしましょう。
尾行調査はどうやる?何を調べる?
浮気調査で最もよく行われるのが尾行による調査です。尾行調査ではターゲットから一定距離を置いて後をつけ、どこに行ったかや誰と会ったかを調べます。
こちらでは尾行調査の詳しい方法や使用する道具、気づかれた際の対処法などを詳しくご紹介していきます。
通常は2人以上で行う
ひとりの調査員が長時間尾行していると、ターゲットに感づかれる危険が高くなるため、通常は2人以上でチームを組んでローテーションで尾行をします。
尾行場所や周囲の状況によっては4人前後で尾行をすることがありますが、数が多いとかえって怪しまれる場合があるため、適切な判断が必要になります。
特にこのような状況で、尾行する調査員の人数が増員される傾向があります。
- 出入口が何カ所もあるような大型商業施設
- 都心の人出が多いエリア
- 朝の通勤ラッシュ時
- 地下鉄やビルに直結している建物
- ターゲットが警戒している場合
車やバイクを使うことも
ターゲットが車移動をする際には、調査員もバイクや車両を使用して尾行を行います。車は長時間の住宅地での張り込みにも便利で、プロの探偵になるにはバイクや車の免許は必須です。
特に都心や繁華街での尾行には機動力があるバイクが活躍します。交通量が多い場所ではターゲットを見失うことなく尾行できるバイクは欠かせません。
逆に交通量のそれほど多くない地方や、人通りが少ない場所では徒歩やバイクでの尾行が目立ってしまうため、車を使って尾行するケースが多くあります。
使用する機器・道具
探偵が尾行で使う機器や道具にはこのようなものがあります。探偵の秘密道具というと何か特殊な道具を想像しがちですが、ネット通販などで比較的手軽に手に入る道具もあります。
カメラ | ペン型・キーレス型・腕時計型のような隠しカメラ ドアスコープに取り付けて外を撮影するカメラや無線式のCCDカメラ |
録音機器 | ボイスレコーダー・ICレコーダー |
GPS | GPS機能付きのUSBメモリ、車専用のGPS発信機など |
ヘッドセット | 運転中や尾行中に連絡を取るために使用 |
変装道具 | 帽子・眼鏡・上着・バッグ 町に溶け込む服装を数パターンを準備 |
このほかにスマホや周辺地図、交通系ICカードや筆記用具なども必需品となります。
尾行調査の流れ・日数
浮気の尾行調査を行い証拠を取るための手順や流れ、日数について見ていきましょう。
依頼者との打ち合わせ | 写真をもとにして尾行対象者の基本情報や普段の行動を確認 | 即日 |
ターゲットをインプット | 容姿や身体上の特徴を頭に叩き込む | 即日 |
尾行開始 | チームによるローテーションで尾行する 経過報告をする探偵事務所もある | 1日~ |
証拠の確保 | 写真や動画で浮気現場を撮影 | 即日 |
報告書作成 | 調査期間・一日の行動・調査員の所見を報告書に記載 写真や動画による確認が可能 | 一週間前後 |
尾行調査で時間がかかるのが尾行開始から証拠を確保するまでです。上手くいけば数日で証拠を取れる場合がありますが、浮気の頻度が低かったり、ターゲットが警戒したりすると、調査時間が伸びる傾向にあります。
尾行調査で分かること
尾行調査で分かることはターゲットの行動やあった人物、出かけた場所などです。主に次のようなことを調べるために尾行調査が行われます。
- 浮気の有無
- 証拠写真の入手
- 浮気相手の身元
- 従業員や家族の素行調査
浮気調査であれば浮気の事実があるかどうかや証拠の入手、浮気相手の身元確認などです。
相手に気づかれた際の対処法
ターゲットの警戒心が強い場合や何かのアクシデントにより、尾行が気づかれることもあるでしょう。経験豊富な調査員なら、ターゲットから気づかれる前に尾行を止めます。
一旦尾行を止めるとターゲットが再び警戒を解いて動き出す場合がありますので、すかさず別の調査員が尾行を開始します。気づかれた調査員は眼鏡や帽子を使ったり、服装を替えることで、再びターゲットの前に出ても気づかれないようにします。
もし警戒を解かないようなターゲットなら、引き続きの尾行は諦めて少し油断するまで時間を空けてから再び尾行を行います。
尾行調査をあきらめる場合
ただしターゲットの警戒心が強すぎる場合など、何らかの事情で尾行をあきらめる場合があります。
- 警戒心が高い
- 尾行がバレた
- ターゲットに動きがない
- ターゲットを見失った
ターゲットが尾行を確信している場合以外は、早めに尾行を止めると再開できる確率が高くなります。もし尾行を確信しているターゲットに無理やり尾行すると、探偵業法やストーカー規制法に違反する恐れがあるため注意が必要です。
尾行調査の費用は?
浮気調査で尾行を行う場合の費用相場や料金体系、調査費用が高くなる場合について解説していきます。さらに失敗した時にも費用が発生するの?という疑問にもお答えします。
尾行調査の費用相場
調査内容や期間、探偵事務所によって金額は変わりますが、相場は20万~80万円前後です。金額にかなり幅があるのは、ケースによって全く料金が違ってくるためです。
自分の場合はどの位になる?という疑問をお持ちの方は、電話での相談や面談で詳細を伝え見積もりを取りましょう。契約するまでは料金が発生しませんので安心して無料相談を利用してください。
調査費用が高くなるケース
浮気の尾行調査を依頼する場合、次のようなケースでは捜査費用が高くなる傾向があります。
- 行動範囲が広い
- ターゲットが警戒している
- 浮気の頻度が低い
- いつ浮気しているか分からない
- 尾行しにくい場所
移動の範囲が広くなったり、いつ浮気しているか分からないために捜査期間が長引くと費用が高くなります。また見失う可能性が高くなる人通りの多い場所では、より多くの調査員が必要になりますので、その分の費用がかかります。
探偵事務所のプランや料金体系
探偵事務所の多くは調査の状況に応じて選べるよう、いくつかの料金体系を設けています。相談に行った際に詳しい説明がありますが、主な「時間課金制」「定額パック制」「完全成功報酬制」の3種類について見ていきましょう。
料金体系の種類 | 詳細 |
時間課金制 | 1時間当たりの調査料金を基に、調査した時間分を支払う。 料金が明瞭だが時間が長引くと費用がかさむ。 |
定額パック制 | 12時間・24時間・36時間といった時間内での調査であれば定額で調査ができる。 対象者の行動がある程度予測できる場合におすすめ。 |
完全成功報酬制 | 依頼した調査が成功したら料金を支払うプラン。 何をもって「成功」とするか事前に確認が必要。 |
失敗しても費用が発生する?
尾行調査が失敗した場合は費用を払わなくていいのでは?とお考えの方がいるでしょうが、完全成功報酬制で契約していない限りほとんどの探偵事務所では返金されません。
まれに失敗した場合の返金制度を設けている事務所がありますが、調査には人件費や車両費といった経費が掛かっているため、調査した分の費用は支払うことになります。
そのため探偵事務所の選び方が重要で、失敗の可能性が限りなく低い経験豊富な調査員のいる探偵事務所を選ぶようにしましょう。
探偵の尾行調査は違法?合法?
探偵が行う尾行調査が違法かどうか、調査を依頼する前にキチンと知っておく必要があります。同じように依頼者も罪に問われるのかや、素人が探偵をまねて尾行をした場合の違法性についても見ていきます。
尾行調査は犯罪?
結論から申し上げますと、探偵事務所が行う尾行調査は違法ではありません。探偵業を営んでいる事務所は「探偵業の業務の適正化に関する法律」略して「探偵業法」で尾行調査を行うことが認められています。
探偵業務とは他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって凍害依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
探偵業の業務の適正化に関する法律
強引な尾行は違法になることも
尾行が探偵業法で認められているといっても、どんな調査をしても良いという訳ではありません。強引な尾行やそもそも法律違反の行為を行うと違法になることを覚えておきましょう。たとえば次のような行為は違法行為となります。
- 他人の敷地に無断で侵入(住居侵入罪)
- 住居や部屋の中を覗き込む(プライバシーの侵害・軽犯罪法違反)
- 他人の敷地内にカメラを仕掛ける(住居侵入罪・器物破損罪)
- 他人の車にGPSを付ける(器物破損罪)
- 尾行されていることを完全にわかっている人に対する尾行(ストーカー規制法違反・軽犯罪法違反)
他にも犯罪目的と分かっているにもかかわらずターゲットの行動を調査するために行う尾行や、ストーカーに協力して監視や尾行を行う行為も違法になります。
また上記のような違法な調査で得た証拠は離婚裁判や慰謝料請求の調停の場で浮気の証拠として提出できません。
高いお金を払って調査してもらったのに法的に有効な証拠が得られず結局お金の無駄、ということにならないよう、違法調査をしない、しっかりとした探偵事務所に依頼することをおすすめします。
調査がバレたら依頼者は警察に捕まる?
探偵が尾行調査をしている最中にバレた場合ですが、正当な調査方法をとっている限り依頼者が警察に捕まることはありません。
探偵は尾行調査中に近隣住民からの通報を受けて警察を呼ばれたり、警察の職務質問を受けたりすることがありますが、身分を証明できれば罪に問われることがありません。
ただしターゲットに尾行がバレた場合は、人権侵害等で慰謝料を請求される可能性がありますし、その後の調査は続行不可能になります。
また調査を依頼した側も、それがバレると配偶者や恋人との信頼関係が壊れる恐れがありますので、バレた場合のリスクなども考えながら依頼するかどうかを考えて行きましょう。
素人の尾行は慎重に
「探偵事務所に調査をお願いすると高いから自分でしよう!」という場合は慎重に行動することをおすすめします。
探偵は法律で尾行などが認められていますが、一般の人が尾行を行うと様々な法律に抵触する恐れがあります。
- ストーカー規制法違反
- 軽犯罪法違反
- 迷惑防止条例違反
たとえ夫婦間や恋人同士であっても、恋愛感情があるとみなされるとストーカー規制法違反になる可能性がありますのでご注意ください。
浮気調査は尾行が得意な探偵事務所を選ぼう
探偵が浮気調査で行う尾行は基本2~3人でバイクや車両を使用することがあり、浮気の有無や証拠の入手が目的です。
通常の調査であれば法律違反にならず依頼者も罰せられることがありませんが、バレているのに調査を続けたり違法な調査をすると法律違反になります。
このような心配をしないためにも、尾行が得意で経験のある調査員がいる探偵事務所を選びたいものです。一人当たりの単価は高くなりますが、調査が順調に進むと期間が短縮でき、結果的に費用を節約できるでしょう。
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